「いっ、いやっ! ヒッ、も、漏れちゃうっ!」
囚人は激しく体をくねらせた。
辛うじて床に付いている爪先が、ビクビクと痙攣している。
彼の腸内では、電動アナルプラグが低いモーター音を立てていた。
ホースで水まで注入されているため、動く度に腹が鳴る。
「ひいいい~~っ、だ、だめっ、出る……出、ちゃうぅっ!」
真っ青になって、囚人は便意を訴えた。
しかしイチジク型のプラグは、しっかりと彼の肛門に嵌まっていて、ちょっと力んだだけでは外れそうになかった。
「どうだ、苦しいか?」
拷問官が尋ねる。囚人は何度も首を縦に振った。
「それでは、気を紛らわすものを与えてやろう」
拷問官は、補佐官がトレイに乗せて持って来たガラスの広口ビンを手に取った。
それを見た瞬間、囚人は顔から血の気が引いた。
「ヒ、ヒ、ヒイイ……」
透明のビンの中には、黒い虫が何匹か詰められていた。
体長10センチほどのムカデや、黒光りするゴキブリの成虫などが歩き回っている。
「毒は気にするな。刺されたらすぐに処置してやる」
「い、いやだっ! そ、そんな……ゆ、許してッ!」
「白状するなら、すぐにやめてやる」
「僕は知らないんですっ! 本当です、信じてくださいっ!」
「そうか……仕方ないな」
拷問官はキュッとビンの蓋を開けた。
「や、やめ……」
恐怖に顔を歪める囚人の片足をつかみ上げ、足の甲に向けてビンの口を傾けて行く。
直後、ズルッと虫がビンから下に落ちた。
「ギャアアアアアアッ!!」
囚人は半狂乱になって暴れた。虫を振り落とそうと、足をばたつかせる。
背後から、拷問補佐官が両足を支え、膝の部分をロープでぐるぐると拘束した。更にそのロープに500キロの水のタンクを結びつけた。
囚人は両足を伸ばしたまま、曲げることも動かすこともできなくなった。
「ヒギイイッ! やっ、やはあああっ! 取って! 取ってくださいッ!」
裸の太腿や膝の裏を、チョロチョロと虫たちが登って行く。
「ハハハッ、虫も広い遊び場ができて喜んでいるみたいだな」
「やあああああっ! いやだっ! いやだいやだいやだアァーッ!!」
何匹もの虫が肌を這いずり回る感触に、囚人は正気を失いそうなほどだった。
虫は足から尻、背中へと移動する。ハイスピードで全身をうろつき回るものもいる。
「どうだ? 話す気になったか?」
「お、お願いです! 信じてくらさいっ! ぼ、僕は何も……!」
「強情な奴だな」
拷問官はピンセットで、最も大きなムカデをつまみ上げた。
それをゆっくりと、囚人の縮こまった股間へと近付けて行く。
「そ、それだけは! だめぇっ!」
亀頭の表面にムカデが置かれた。多数の足が粘膜を踏み付ける。
便意を我慢しながらの恐怖は、囚人を限界まで追い詰めた。
「アギャアアアッ! ヒッ、ヒギャアアッ!!」
囚人のペニスや首筋を這い回る虫を見ながら、拷問官は煙草に火をつけて一服した。

続く