「気の弱そうなツラして、なかなか強情じゃないか」
煙草を一服して、拷問官は言った。
囚人はガクガクと脚を震わせながら、声を失っていた。
高熱の工具を差し込まれていた箇所からは、うっすらと煙が上がっている。
煙草を灰皿で揉み消すと、拷問官は補佐官に目配せをしながら、
「もう一つ、隠せる場所があるな。そこも調べてみるか」
と、言った。
拷問補佐官が、囚人の足を縛っていたロープをほどく。
そして囚人の両足を抱え上げ、新しいロープを括りつけた。
両足を吊り上げたロープは、高い位置で固定される。
囚人は鉄柱に縛られたまま、膝を曲げ、下半身を持ち上げられた体勢になった。
尻が不安定に宙に浮いている。
その時、チン、と高い音が響いた。聞き慣れた電子レンジの音だ。
拷問官は、電子レンジから熱したカップを取り出した。
何かが湯気を立てている。
拷問官は、カップを持って歩み寄り、囚人の鼻先に近づけた。
ツンとした臭気に、思わず囚人は咳き込んだ。
ワインビネガーの刺激臭だった。
「これを浣腸してやる。きついと思うがな」
「ああっ…。やめてください……そんなの……」
「いい加減に白状しろ。治療も不可能になるぞ」
拷問補佐官が、ガラス浣腸器のノズルの先端をカップに沈めた。
熱いワインビネガーが、浣腸器の中に吸い上げられて行く。
最後の一滴まで吸い上げると、補佐官は拷問官に浣腸器を渡した。
「もう一度聞く。答えは?」
「ああ……」
拷問補佐官が、しゃがんで囚人の尻穴を両手で広げた。
「やめてっ! 許してェッ!!」
ノズルの先端が、肛門に差し込まれる。
次の瞬間、拷問官はシリンダーをグイッと押し込んだ。
「ヒーッ!!」
熱い酢が、囚人の腸内に注入された。激しい刺激が腸壁に襲いかかる。
「ヒッ! ヒ、や、やぁ、ギャアァッ!」
「どうした? まだ100ccも入ってないぞ」
「許してください! もうやめてェッ」
「フフフ。そうはいかないさ」
拷問官は、更にシリンダーを押し進めた。
「アーッ! アアーッ!」
焼け爛れるような熱と刺激に、囚人は半狂乱になって喚いた。
拷問官が浣腸器を引き抜くと同時に、補佐官がバケツを構えた。
凄まじい音と共に、湯気の立ち上った便が肛門から噴出した。
ボトボトとバケツの中に落ちる汚物の音が、囚人の自尊心を嬲った。
「もう一度、注入する」
「いやだっ! もうイヤだぁっ!」
汚物を出した後の肛門に、拷問官は再び浣腸器を突き立てた。
「アアアアアッ! いやーッ!!」
出る物がなくなってもなお、囚人は熱い酢の浣腸を受けた。
何度も繰り返され、腸の内壁は火傷したように爛れた。

続く