拷問官は、すぐにクリップを外すと、水を止めさせた。
囚人の顏からガムテープを剥がし、ホースを口から外す。
飲み切れなかった水を吹き出しながら、ホースが床に落ちた。
囚人の頬を平手打ちする。意識が戻った囚人は、激しく咳き込んだ。
「う…げ、げほっ! げほっ」
「このまま窒息させてもいいんだが……」
「あうっ、ゲフッ、ゴホッ、は…はあっ、はあっ」
「水を吐かせてやる。有り難く思えよ」
そう言うと、拷問官は柱に拘束されたままの囚人の真横に立った。
そして次の瞬間、片足で囚人の腹を蹴り上げた。
「あがっ!!」
胃の中の水が逆流し、口から外に吐き出される。
拷問官は続けて腹をキックした。ロングブーツの甲が、みぞおちに食い込む。
「ゲボッ! ゴホッ、ゴホゴホッ!」
大量の水が、囚人の口から床にこぼれ落ちた。
「バットを貸せ」
拷問官は、補佐官に言った。
壁に立て掛けてあった金属バットを補佐官が握り、拷問官に手渡した。
拷問官は、野球選手のようにバットを両手で握り、大きく振った。
「グエェーッ!!」
向かってきたボールを打つように、囚人の腹を打ち付ける。
鈍い音が響き、腹にバットが食い込んだ。
口から滴った水が、そのバットを濡らした。
「まだ出るかな?」
「ああああっ…も、もう……お願いですから……」
再び、バットが打ち込まれる。
「ゲーッ!」
囚人は、水を吐き出した。
胃液が混じり、喉が痛み始めていた。
凶悪な金属バットの連打は、しばらくの間続けられた。
ドスッと音がするたびに、囚人の悲鳴が部屋に轟いた。
「どうする? また水を飲むところから繰り返すか?」
拷問官は、バットを囚人の顎の下に滑り込ませ、顔を持ち上げて尋ねた。
「許して…ください……」
「お前が受け取った物はどこにある?」
「そ…それは……」
「まだ、水を吐きたいらしいな」
拷問官の膝が、みぞおちに入った。
「ウーッ! グ、ググ……」
囚人の口元を、粘ついた液体が伝った。

続く