「フッフッフ。雇い主よりも自分のチンポが大事か」
拷問官はライターを胸のポケットに戻し、鼻で笑った。
囚人はガチガチと歯を鳴らしたまま、額を床に擦り付けている。
拷問補佐官が、手と足を繋ぎ合わせていたチェーンを外した。
四肢が丸まった状態から解放され、囚人は体を伸ばして倒れた。
「ああ…、はあっ、はあっ……」
冷水で濡れた床に頬を密着させ、絞り出すような声で囚人は呻いた。
拷問官は部屋の隅に置かれたテーブルの引き出しから、クリップでまとめられた書類の束を取り出した。
「気が変わらないうちに、自白調書を作成する」
そう言うと、拷問官はクリップを外して紙を一枚だけ取り、残りは机の上に戻した。
一枚の紙を携え、拷問官が囚人の頭のそばにしゃがんだ。
「すべて自分の意志で白状すると誓うな?」
「……」
「どうした? 自白するんじゃなかったのか?」
「ご、ごめんなさい。やっぱり、僕は……」
「苦痛から逃れるための嘘だったわけか」
「……こ、殺してください。いっそ」
囚人は、涙を浮かべて訴えた。
しかし、その言葉を拷問官は聞いていなかった。
すっと立ち上がると、ブーツの爪先で囚人の腹を蹴り上げる。
「うぐぅっ」
囚人は床に倒れたまま、体を前屈みに折り曲げた。
腹を抱え込んだ腕を、更に拷問官は蹴り付けた。
「あうっ!」
床を転がり痛みを堪えようとする囚人の脇腹にも、キックを叩き込む。
「押さえろ」
拷問官の命令で、補佐官は床でのたうちまわる囚人の腹を、上から踏み付けた。
凶悪な靴底に体を固定され、囚人の体は逃げ場を失った。
拷問官は無言で囚人を蹴り続けた。
「あぐうっ、うぐっ、オオウッ!」
腰、太腿、そして向こう脛までが、拷問官の足の餌食となった。
蹴られるたびに波打つ体に、追い討ちのように補佐官の靴底が食い込む。
蹴られた箇所が次々と赤く、張りつめたように腫れ上がってきた。
囚人の体は、惨めに膨張していた。
ところどころ破裂した血管が、内出血を引き起こしている。
やがて拷問官は補佐官の足を退かせると、ブーツの踵を囚人の腹に叩き落とした。
「ウグオォッ!!!」
囚人は、両足を痙攣させて苦痛に悶えた。

続く