半世紀近く前から多重人格萌えなので
ドラマ『VIVANT』に夢中になった理由の一つが、堺雅人さん演じる主人公が多重人格であるという設定です。おとなしく気弱な性格の乃木憂助は、攻撃的な別人格F(エフ)と時折、会話をしています。
F(エフ)の姿は憂助以外には見えませんが、憂助には目の前に存在するように見えているので、イマジナリーフレンドやタルパのような存在でもあります。
もともと二面性のある役を演じるのが上手い堺さんならではの高い演技力で、第一話冒頭シーンから最終回ラストシーンまで二人の会話を楽しませてくれました。
交代の必要性を感じたらF(エフ)は肉体を乗っ取り、表に出て行動しますが、周囲の人間は乃木が多重人格だという認識は持っていません。
創作物において多重人格キャラは「他者から見て別人である」ことが主に重要なポイントです。
そこをメインで描くのではなく、主人公の心のなかでの葛藤を表現するために別人格が登場する作品というのは、とても珍しいと思います。