1998年執筆 / 短編 / 全3頁
[あらすじ]
大学生の藤島雅弘は、愛人・憲治との関係に歯がゆさを感じていた。ただ会って、体を重ねて金をもらって別れるだけの恋に。彼を本気で愛し、激しい独占欲をつのらせた雅弘は、ある日、友人の浅沼裕一の協力で、憲治の自宅をつきとめることに成功した。しかし、雅弘を待っていたのは、憲治の冷たい態度と同居する男の存在だった。混乱した雅弘に、今度は裕一が思いを告白する。憲治と別れ、裕一と付き合うことを決意した雅弘。しかし、憲治の冷たさには、淋しい理由があった。[解説]
ボーイズラブっぽい話を書いてみようと思ったのですが、「遊びの恋を本気にしてしまい傷ついていく」というテーマは、女性向けではなかったようです。でも、サブキャラの雅弘と裕一のその後が読みたいという希望は多いですね。どうも私の小説って秋から冬のイメージが強いみたいなんですが、その中でもこれは、特に真冬を意識して書いてみました。寒くて冷たい悲恋を感じ取っていただければ嬉しいです。(1999年Web公開時コメント)